AYURVEDA+日本の四季と暮らし①【冬〜春のリトゥチャリヤ:簡単ケア編 】

AYURVEDA+日本の四季と暮らし①【冬〜春のリトゥチャリヤ:簡単ケア編 】

日中にポカポカと春の暖かさを感じるようになってきました。 
暖かくなってくると同時に体に不調が出てくる方も多いようです。

季節の変わり目や特定の季節になると決まって
体調を崩す、鼻水や鼻詰まりがひどくなる、
皮膚に湿疹が出る、眠気が強くなる、
頭がぼーっとする、重だるい、気分が落ち込む、、、など
こういった症状が出てくる方は
各季節に合わせた過ごし方を少し取り入れるだけで症状が軽くなるかもしれません。

私たちの体は季節が移り変わるのと同じように、
常に自然のサイクルと共に過ごし、変化しています。
春夏秋冬・梅雨の時期など、
その季節が持つ特徴によって乱れやすい要素や性質があります。

その乱れやすい要素や性質を理解し、不調が蓄積しないよう季節に合わせた暮らしを送る。
このライフスタイルのことをアーユルヴェーダでは「リトゥチャリヤ」といいます。

今回は【冬〜春のリトゥチャリヤ:簡単ケア編】をご紹介します。

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【冬〜春のリトゥチャリヤ:簡単ケア編】

◾️冬は「カパ」エネルギーが増え、春に溶け出す

冬は1年の中で体に「カパ」の性質を溜め込みやすい季節。
冬の寒さを乗り越えるエネルギーを確保するために、
体は溜め込もうとシフトする季節です。

「カパ」の性質は重く、冷たく、停滞を起こす性質。

冬の寒さは体を冷やし、重くします。
そこに運動不足も重なると熱エネルギーが不足し代謝が落ちて停滞、蓄積していきます。
冬は溜め込む季節に加え、更に代謝が落ちることで老廃物が排出しきれず、
体内にとどまってしまうことになります。

この排出し切れなかった老廃物が春になると一気に流れ出し、
「鼻水・鼻詰まり・重だるさ・眠気・かゆみ」などという症状となって外に出てくるのです。

 春になると出てくるこの症状に対応するには、
「カパ」を停滞させないための冬の過ごし方が大切になります。

◾️「カパ」を減らし、詰まりを流そう

「カパ」は「重く、冷たく、停滞、粘着」を起こす性質です。
これらを減らすには、反対の性質「軽く、温かく、動かす、乾かす」を意識して取り入れることが必要です。
この反対の性質を日々の過ごし方や食事のしかたに取り入れて、
少しでも「カパ」を減らしましょう。
まずは、今日からスタートできる簡単ケアをご紹介します。

①体を冷やさない

冷たい飲み物は大量に飲まず、体を冷やさないようにしましょう。
1日1度は湯船に浸かり、体温を上げる習慣を持つことをおすすめします。
体温を高く保つことで、消化力も高まり未消化物が溜まりにくくなり、
老廃物・毒素を流しやすくします。

②食事量は腹8分目

消化力を弱めず元気に胃に働いてもらうために、食事は腹8分目をおすすめします。
胃はスペースがあることで動きやすく、入ってきた食べ物を無理なく消化してくれます。

反対に食べ過ぎると消化が追いつかず、消化し切れなかった食べ物は未消化物として体内に残ります。
未消化物は体に無数にある経路(栄養や老廃物が通る管)を詰まらせて老廃物の排出を阻害します。
また、同時に栄養も効果的に摂れなくなってしまいます。

そして、胃にスペースが無い状態で胃を無理やり動かして消化しようとするので、
必要以上に内臓がエネルギーを使うことになります。

必要以上にエネルギーを使うことは体を酷使することになり、「老化」を早めることにもつながります。

現代では、食べないことより食べ過ぎることが多いです。量を食べ過ぎる、特定の物や味を食べ過ぎる、
これらの積み重ねが原因で病気につながるといわれています。

③苦味・渋みの食材を積極的に摂る→「旬の野菜」がカギ

「苦味」「渋味」は乾かす、停滞しているものを動かし流す効果があります。
体の老廃物を排出するのを手助けしてくれるのです。

春の野菜は「苦味」「渋み」が特徴です。「旬の野菜」である春野菜を適度に食事に取り入れることで、
「カパ」の性質を減らすことができます。

旬の野菜は、その季節に私たちが乱してしまいがちな要素や性質を
鎮静してくれる大変素晴らしい効果を持っています。

④黒コショウ・ショウガを積極的に摂る

 黒コショウやショウガはすぐに手に入るスパイスです。
普段の食事にも取り入れやすいスパイスですのでおすすめです。

食べると体がポカポカしてくる黒コショウやショウガは、
体を温め熱エネルギーを作り、胃での消化力を高めてくれるスパイスです。
脂肪や老廃物を流し、排出するための手助けをしてくれます。

⑤ヨーグルト、チーズなどの乳製品を控える

乳製品、特にヨーグルトは消化に重く「カパ」を増やす食品といわれ、鼻水や痰などの粘液系を増加させます。
体内に無数にある経路(栄養や老廃物が通る管)など、
あらゆる管を詰まらせ、停滞させるといわれています。
冬は特に「カパ」が増える時期なので、なるべく控えたいところです。

どうしても食べたいときは、消化力の一番高いお昼時に少量をおすすめします。

◉牛乳について
牛乳は体を滋養する、活力を高めてくれる飲み物とされています。
しかし、牛乳は食べ合わせや特定の味との組み合わせによる飲み方の間違いにより、
体に未消化物を発生させる原因にもなる飲み物です。

ひとまず、牛乳を飲む場合は食事と一緒ではなく、
「単体」で「温めて」飲むことをおすすめします。

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◾️季節の変化と体の変化をしっかり感じて

未消化物・老廃物は季節によって、また現代の生活の中では
どうしても停滞して溜めてしまいがちになります。
意識的に季節や体の変化を感じ取り、
それに合わせた過ごし方やケアをすることによって不調は軽くすることができます。

季節の移り変わりとともに
私たちの体も自然のサイクルと共に変化していることを認識し、
必要なケアを取り入れながら
快適な暮らしを送りましょう!!

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