座学【ヨガの目的って?】

座学【ヨガの目的って?】

皆さんがヨガを行う目的や理由はなんでしょう??

・エクササイズとして
・ダイエットとして
・心身の不調改善
・デトックス効果を期待(ホットヨガなど)
・柔軟性の向上
・運動不足の解消
・肩こり、腰痛の改善

理由や目的は人それぞれ、いろいろあると思います。

私もヨガを始めた当初の目的は「柔軟性の向上」でした。
(「向上」どころか「皆無」だったのですが、、。)

ガチガチの体の硬さで生きてきた自分の人生の中で、
一度でいいから体が柔らかい時期を経験してみたい!と思ったからでした。
それに加えて、まだ不調は感じないまでも将来的な身体の不調に備えて
運動不足解消のために始めたのがヨガでした。

この時はヨガとは何かを知らず、
ただストレッチ的に体を動かすエクササイズだと思っていました。

現在の日本のヨガは主に欧米を経由して入って来ているので、
エクササイズ的印象がメインなのは当然ともいえますよね。
もちろんヨガにはエクササイズ的効果や美容的効果も期待できますが、
それはほんの一部です。

私がヨガを始めて間も無く、
アーサナ(ポーズ)に加えて哲学も学ぶようになり、「ヨガの本来の目的」を
知ることとなります。

「ヨガとは何か?」
「ヨガの目的とは何か?」
様々な言葉で説明ができます。

・体と心のつながりを感じること
・体とマインドのバランスをとっていくこと
・自分自身を知ること
・自分自身を受け入れること
・自分自身をコントロールすること
・人々を良い方向へ導くこと

これら全てがヨガとは何か?を語っています。

今回はこの中から特に経典で語られている
ヨガの本来の目的についてご紹介していこうと思います。

こういうものなんだな、、
と知ってからヨガを行うのも新しい発見に「つながる」かもしれません。 

■心に対する理解を深めていく

योगश्चित्तवृत्तिनिरोधः ॥२॥
yogaś-citta-vr̥tti-nirodhaḥ ॥2॥

「ヨーガス チッタ ヴリッティ ニローダハ」

現代ヨガにおいて、重要な経典とされる「ヨガ・スートラ」。
第1章第2節に書かれている有名な一節です。

「ヨガとは、心の反応や波立ちを止滅すること」と説いています。
これが本来のヨガの最大の目的です。

心が反応する・波立つとは、外の出来事に意識が向き心が惑わされ雑念が出てくる状態。
雑念があると、嫉妬や羨望から欲が生まれて執着となり心が乱れます。

心が欲や執着に走らないよう、偏りなく平常心を保てるようにすること。
この心の状態を常に保てることをヨガは目指しています。

ただ、外の出来事に対して心が揺れるのは自然なことです。
これを無理やりに抑え込もうとするのではなく、
この反応がさらに大きな乱れにならないようコントロールしていく、、
これが行うべきことです。

今の心の状態に気づき、自分でコントロールしていくことが大切です。

「外側に向いた意識を内側へ向け、心に対する理解を深めていく」

そのためには注意深く自分の心を観察する必要があり、
今この瞬間の心の反応をとらえるために「今」に意識を置いておく練習が必要となります。

「BE HERE NOW」

ヨガでよく聞くこのフレーズは、「今に意識を置く」これを意味しています。

MEMO:アーサナは動くことではない?

स्थिरसुखमासनम् ॥४६॥
sthira-sukham-āsanam ॥46॥

「スティラ スッカン アーサナン」

経典「ヨガ・スートラ」の第2章に説かれています。

「アーサナ(坐法)は快適で安定したものでなければならない」

現代のヨガではアーサナ(ポーズ)はさまざまな姿勢をとって動くことを指しています。
しかし、本来アーサナは「坐法」といわれ、
元々は
座って瞑想することを指していました。

快適でリラックスし、安定した状態で瞑想に入る。

ただ静かに座る、、、簡単そうに見えて大変難しいもの。
背中が痛くなってきた、
股関節が痛くなってきた、
首が肩が、、、。

これでは痛みにより身体が乱れ、意識が外に向き心が乱れ、
快適でリラックスしたアーサナ(坐法)は実現しません。

長い時間快適に座り続けるには、体幹の強さや心の安定が必要です。
その必要な体幹の強さと心の安定を目指して、
身体の鍛錬を行っていました。

この「鍛錬」の動きが、
現代でいうアーサナ(ポーズ)といわれています。

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